ペットの健康を維持するうえでは、栄養バランスの良い食事や毎日の運動はもちろんのこと、衛生面での管理も重要です。ペットの衛生管理にはシャンプーやトリミング、つめ切りなどさまざまなケアが挙げられます。なかでも、犬の耳はデリケートなため、定期的な「耳掃除」が欠かせません。
とはいえ初めて犬を飼う方のなかには、下記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
・耳掃除ってどうしてしないといけないの?
・自分で掃除してあげないほうが良い?
・動物病院に行けないから、自分でケアしてあげたいがどうやってすれば良い?
そこで今回は、定期的にペットの耳掃除をする必要がある理由や、動物病院に任せるべき理由を紹介します。また老犬や病院を過度に嫌がる子を飼っている方向けに、自分でしてあげる場合のポイントもまとめました。
特に初めて犬を飼う方や、飼っている子の耳のケアが気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも耳掃除すべき理由とは?
耳掃除は、ペットの耳の健康を保つために不可欠です。掃除を一定期間しない場合には、外耳炎やダニ寄生のリスクが高まるため注意しましょう。
そのため耳のケアを放置し続けると、ペットの不快感やストレスを引き起こすだけでなく、重度の感染症や聴力喪失につながる可能性もあります。大切な愛犬の病気リスクをなくすうえで、定期的なケアが非常に重要といえます。
動物病院で愛犬の耳掃除をしてもらうメリット
日常のケアの一部として自分でペットの耳掃除をするなら良いですが、外耳炎になりかけているなど異常が見られる場合には限界があります。
一方で動物病院で耳掃除をお願いする場合は、専門的な技術と知識を有する獣医師が行うため、病気の前兆が見える場合でも的確に対応してもらえます。そのため耳の中がいつもより赤かったり、臭いが気になったりなどの違和感がある場合は、動物病院で診てもらいましょう。
また掃除の際にペットにかかる負担も軽減できます。慣れていない場合には、時間がかかり愛犬に余分なストレスがかかってしまいます。一方で動物病院の獣医師は耳の処置に慣れているため、初めての子でも落ち着かせながら素早く掃除してくれます。そのため耳に触れられるのが苦手な子やジッとするのが苦手な子の耳掃除は、動物病院に任せると良いでしょう。
もし自分でペットの耳掃除をしてあげるなら?手順を紹介
愛犬の体調を考慮する場合やストレスをなくしてあげるためなど、さまざまな事情から病院を頼ることができず、自分でしてあげなければならない方もいるでしょう。ここでは、ペットの耳掃除をする際の手順を紹介します。大まかな流れは下記のとおりです。
・掃除道具を準備する
・耳に異常がないか簡単にチェックする
・耳の内側を掃除する
・褒めてあげる
まず、耳の掃除をするためのコットンや専用のイヤークリーナーを用意します。たれ耳専用の洗浄液や低刺激タイプなど、さまざまなクリーナーが販売されているためペットに合わせて選びましょう。
次に耳の色や臭い、異常な分泌物がないか確認します。異常が見つかった場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
そして掃除する際は、コットンにクリーナーをつけ、耳の内側を優しく拭きます。ペットに痛みを与えないように、深く入れすぎないよう注意しましょう。
最後に、ペットを褒めてあげてストレスを和らげてあげてくださいね。
ペットの耳掃除で失敗しないためのポイント
ここでは、自分でペットの耳を掃除してあげる場合のポイントについて、下記の4つを紹介します。
・綿棒は使わない
・頻繁にしない
・ご褒美を与えて慣れさせる
・リラックスさせてから始める
耳のお掃除に適切な道具や頻度、ストレスを与えないための方法をまとめました。安全に掃除をするためにも、それぞれチェックしておきましょう。
綿棒は使わない
1つ目のポイントは、「綿棒は使わない」ことです。
人間の場合は綿棒を使っても特に問題ありませんが、ペットの耳掃除に綿棒は適していません。ペットの耳の掃除で綿棒を使用しないほうが良い理由は、奥深くまで届き、鼓膜を傷つける可能性があるからです。
また耳垢が押し込まれてしまい、耳の奥に詰まってしまうこともあります。特に耳の掃除に慣れていない場合には、ケガをさせてしまう可能性があるため、基本的には使わないようにしましょう。
ペットの耳の掃除では綿棒の代わりに、コットンに耳洗浄液をヒタヒタに染み込ませたものを使用しましょう。コットンであれば、耳穴周辺を優しく拭き取ることが可能です。耳の掃除でケガを負わせないためにも、使う道具は慎重に選びましょう。
頻繁にしない
2つ目のポイントは、「頻繁にしない」ことです。
ペットの耳掃除は、頻繁に行う必要はありません。犬を含め動物の耳には自浄作用と呼ばれる物が備わっており、耳垢がたまらないようになっているからです。むしろ過度に掃除すると、自浄作用が薄れ、感染症を引き起こす可能性があります。
そのため毎日行う必要はなく、月に1~2回程度が目安です。ただしペットの種類や個体差によって、適切な掃除の頻度が異なるため注意しましょう。例えばたれ耳の犬種や、アレルギーを持つペットは、週1回の高頻度で行わなければならない場合もあります。適切な頻度を判断するのは難しいため、かかりつけの動物病院に相談するようにしましょう。
ご褒美を与えて慣れさせる
3つ目のポイントは、「ご褒美を与えて慣れさせる」ことです。
耳の掃除は、ペットにストレスを与えてしまう場合があります。そのため掃除後には、好きなおもちゃやおやつなどのご褒美を与え、良い経験として記憶させることが重要です。特に初めての耳掃除の際には暴れてしまう子も少なくないため、根気強く慣れさせてあげましょう。
リラックスさせてから始める
4つ目のポイントは、「リラックスさせてから始める」ことです。
耳の掃除を行う際には、静かで落ち着いた環境を作ることも大切です。リラックスできる環境を作ることで、ペットが耳掃除に対してストレスを感じずに受け入れられるようにするためです。
最初は抵抗するかもしれませんが、徐々に慣れていくでしょう。無理に行うのではなく、ペットの様子をうかがいながら、本人が落ち着いてできるペースで行いましょう。
まとめ
耳掃除は、ペットの健康を守るための重要なケアです。自分でしてあげることも可能ですが、動物病院での処置をおすすめします。獣医師は、耳の特徴や体質に合わせた適切な方法で掃除を行なってくれます。そのためケガや病気のリスクをなくすことが可能です。
なお北海道札幌市にある「ソマリ犬猫病院」は、犬猫に特化した動物病院です。犬猫専門の診療設備を多数導入しており、さまざまな症状に対応可能です。「愛犬の耳掃除を頼みたい」「ペットの体調を診てもらいたい」などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。